2020年御翼5月号その2

         

「コロナ」という名の少年と文通する俳優トム・ハンクス

 ハリウッド映画でアカデミー主演男優賞を2年連続で受賞しているトム・ハンクスは、教会に通う米国人クリスチャンであり、一度離婚は経験しているものの、現在の妻リタとは30年幸福な結婚生活を続けている。その秘訣は祈りであるという記事が、JWCTUのニュースレター最新号で紹介されている。
 1956年カリフォルニアで生まれたトム・ハンクスは、5歳のとき両親が離婚、父親に引き取られた。10才まではカトリックの環境で育つが、父の再婚相手がその後、モルモン教徒になったが、長いことお世話になった叔母がプロテスタント信者だった。高校での友達は皆、ユダヤ教徒だったという。しかし、高校時代、毎週水曜日に教会での聖書研究会に出席していた。
 親の離婚と様々な信仰に触れることで、彼は謙遜さを学び、多くの体験から前向きな態度を身に着けるようになったという。そして、今ではハリウッドで最高の「ナイスガイ(良い奴)」と呼ばれるようになっている。今の奥さんリタがギリシャ正教会員であることから、再婚を機にトムも同じ信仰に入り、毎週教会に通っているという。教会に通う最大の動機は、「人類が常に疑問に思ってきた大きな問題に、解答を与えようとするのは信仰の世界だけだから」だという。そして、あなたは神を信じていますか、と尋ねられると、「神を信じないことは愚かなことだと思います」とトムは答えている。彼の人生を見ていると、「神の御計画を信じ、真っすぐ前を向いて笑顔で歩き続けるべきだ」と思わされる、とある記者が記していた。

 トム・ハンクスとリタ・ウィルソン、祈りの力について語る
「あなたは祈りの力を信じますか?」レスリー・ホワイトによる記事から抜粋
 トム・ハンクスとリタ・ウィルソンは、ハリウッドで誰からも愛されている夫婦です。二人の愛は、結婚して30年経った今も岩のように堅実です。二人はお互いに忠実なだけでなく、神に対しても全信頼を置いています。二人が祈りの力に信頼を置いていることは、二人の神様への揺るぎない信仰の証しです。
 リタは個人的に祈るだけでなく、夫と祈り、お子さんたちとも祈ります。祈りは家庭生活の基盤だと言います。「神様の存在は私の人生の一部です。私は長いこと、私が愛することができて、同じように私を愛してくれる人を与えてください、と日々祈っていました。すると、神はトムに巡り合わせてくださいました」とリタは語ります。「神は神秘的なお方ですが、日々、働いておられます」と、トム・ハンクスも言います。トムは1988年にリタと結婚したことをきっかけに、ギリシャ正教会の会員となりました。トムの信仰はその教会で成熟したものとなったのでした。
 ハンクス夫妻は、精神的外傷を負ったときも、困難の中でも二人が持つ信仰に依り頼んで来ました。2015年、リタは乳癌と診断され、良乳房切除術を受けました。同じ頃、息子のチェト・ハンクスは薬物中毒と闘っていました。この試練のとき、トムは2型糖尿病の治療と副作用に苦しみ、更に息子が起こした出来事がもとで裁判沙汰になっていました。これらすべてが起こっている中でも、二人は力と希望を与えてくれる祈りと信仰に依り頼み、神はそれを与えてくださいました。信仰が試されている間も二人は神に信頼し続け、神様が暗い谷間を通り抜けさせてくださると信じていました。そして、神はそれを成し遂げてくださいました。
 祈りは、私たちの天の父なる神様と対話するための力強いツールです。祈りは、創造主であり、すべてを与えてくださるお方とひとつになるときです。祈りは、今日を生き抜く力と未来への希望を見出す助けになります。私たちは、取り巻く環境を永久に変える力があることを信じて、積極的に祈るべきです。あなたの信仰生活は、あなたの祈りの質と直接的に関わり合っています。祈りは、あなたの周囲の人々だけでなく、物事をも変える力を持っています。また、祈りはあなたを内面から変える力をも持っています。あなたが力を必要としているとき、神様がいちばんの癒し主であり、あなたの進むべき道を限りなく導いてくださることを思い出してください。あなたの心と人生が神と御言葉と聖霊を中心に置くとき、神があなたの道を導いてくださることを覚え、安心してください。

 そんなトム・ハンクスが、「コロナ」という名前のせいで、学校でいじめられたオーストラリアの少年とのやりとりが話題になっている。トムは今年3月、エルヴィス・プレスリーの伝記映画の制作のため(エルヴィスのマネージャー役)にオーストラリア滞在中に新型コロナウイルスに感染、妻と共に治療中、コロナ・デ・フリース君(8)からお見舞いの手紙を受け取った。「あなたと奥さんがコロナウイルスに感染したと聞きました。大丈夫ですか?」とコロナ君は書いた。 また、自分の名前は大好きだが、学校で「コロナウイルス」と呼ばれたと説明し、「そう呼ばれるたびにとても悲しくなり、怒っています」と続けた。ハンクスさんは返信で、「大好きな友達のコロナへ」と書き、「きみの手紙で僕と妻は素晴らしい気持ちになった! 素敵な友達になってくれてありがとう。気分が落ち込んでいる時に励ましてくれるのが友達だ」とつづった。また、「きみは僕の知り合いの中で唯一、コロナという名前を持っている。指輪、太陽、そして王冠という意味だ」と励ました。トムとリタは3週間にわたってオーストラリアで療養し、現在はアメリカに戻っている。ハンクスさんはこの手紙と共に、療養中に使っていたコロナ社製のタイプライターをコロナ君に贈ったという。「このタイプライターはきみに合っていると思う。大人に使い方を聞いて、それでまた返事をください」と手紙を書いた。コロナ君は、「新しいアメリカの友人」ができてワクワクしていると話した。また、ハンクスさんが「トイ・ストーリー」の主人公ウッディを演じていたことから、コロナ君はハンクスさんの存在を知ったのだという。ハンクスさんは手紙の最後に手書きで、「追伸! きみはともだち!」と、トイ・ストーリーの主題歌の歌詞を添えている。
 ハリウッドで最高のナイスガイ大物俳優は、一人の少年への気遣いを忘れない、キリストの心を持っている。


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